いま、時代は「農」へ向かう
このタイトルは、私たちが希望を込めて名付けたものです。 11月30日、愛知大学車道キャンパスで、『流域自給をつくる大豆畑トラスト』10周年記念の講演会が催されました。 宇根さんはまず、私たちが残留農薬値とか栄養価といった食べ物の内側の価値ばかりに目を向けているのではないかという疑問を発しました。 これは、内山節さんが「数値に管理される社会は空しく、危うい」と警鐘を鳴らしていることに通じます。 食べ物と私たちとの関係のなかにこそ価値を見つけていかなければ、食べ物はますます私たちから遠ざかってしまうのではないでしょうか。 本来、農産物は「つくる」ものではなく「とれる」あるいは「できる」もの。 自然とのつながりのなかで実を結ぶものです。 そこが農業と工業の基本的な違いであり、「労働」ではなく「仕事」、「技術」ではなく「手入れ」という考え方で捉えなおすことが大切であると宇根さんは説きます。 残念ながら、百姓の側からその「農にかかわる仕事の楽しみ」を伝えることができていない現状があります。 自然に働きかけて食べ物という恵みをいただくことで環境を作っていくのが百姓仕事です。 すっかり近代人として教育されている私たちですが、近代化によって歪められてしまった「農」の本質を取り戻すことができるでしょうか。 そのためには、百姓は地域にこだわり、地を這うようなまなざしを田畑や作物やその周囲の自然へ向け、そこで見えたものをきちんと伝えていくことが必要ですし、消費者は農業は食べ物だけを作っているのではないことを理解し、カネに換えられない仕事に価値を見出している百姓を支えることが求められています。 宇根さんは「地道な仕事の積み重ねでこの社会を変えていきましょう」という言葉で締めくくりました。
by daizu19
| 2008-12-01 22:17
| トラスト行事
|
カテゴリ
以前の記事
2014年 12月 2014年 11月 2014年 09月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 10月 2013年 08月 2013年 07月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 リンク
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||